2008年、古民家の移築プロジェクトは物件探しから始まりました。
当初は茅葺古民家を想定し周辺山間地へ出掛けましたが、過疎化に加えて震災被害が残る古民家が多く、重機や大型車両による解体運搬が困難な事と、何よりも茅葺古民家の再生維持は材料確保や職人不足が大きな課題であり、資金的なことも含めて茅葺に拘ることを断念しました。
その後、魚沼地方で古民家の物件を管理する工務店さんとめぐり合い、探し始めて6件目にしてようやく思い描く古民家に辿り着きました。
明治7年、元湯沢村村長邸の歴史ある古民家が解体保存(図番と写真付)してあり、同行した請負工務所さんと三者で合意に至りました。
復興支援事業・交流滞在施設・古民家の移築は初めての経験ですが、請負工務店さんと村民(会員と協賛者)との“協働プロジェクト”になりました。
移築現場は、平地より一段高い丘陵地の一角を整地と地盤改良し、民家の無い原野に始めて電気水道を引き込むとんでもない作業から始められました。
その後の基礎工事から建前、外装、内装工事へと進む中で、古材の洗浄や外壁塗装、壁塗り、土間たたき等、皆で関わることができ、雪国特有の“せいがい造り”と再生可能な匠の技に感動し、皆の思いが込められた”古民家移築プロジェクトが無事に終了しました。